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生活保護の「通院移送費」

生活保護では、病院の受診にかかる費用は、「医療扶助」と言う形で自己負担が免除されることは、皆さんご存知かと思います。
しかし、病院に行くまでの交通費については、「通院移送費」という扶助があることをご存じでしょうか?

illust3470.png

1月に、奈良市を相手に提訴した裁判を傍聴させてもらいました。
Aさんは、生活保護受給中に通院移送費を希望したにも関わらず、市が申請をさせませんでした。
交渉の末、一時的には「過去5年分にさかのぼって支給する」と回答しながら、結果的に支給していないことから、奈良市に対して損害賠償を求めた裁判です。

冒頭陳述でAさんは、
「何回も病院への交通費について担当ケースワーカーに相談したが、『移送費』という扶助があることは教えてもらえなかった。
たかが数百円の交通費なのだから生活費から捻出しろ、という担当ケースワーカーの言葉に、そういうものか、とあきらめざるを得なかった。
お金が欲しくて裁判を起こしたのではない。
多くの生活保護受給者が声を上げられずにいること、奈良市保護課としての指導や対応の在り方を改善してほしい、という思いで提訴したのです。」
と述べられました。

代理人である弁護士も、
「生活保護制度は、この複雑な現代社会では、誰もがある日突然必要になるかもしれない大切なセーフティーネット。
たかが数百円の交通費と思うかもしれないが、生活扶助とは切り離して保障されている。
生活費から捻出しろという指導は違法であり、そのような指導のために必要な通院を我慢している受給者がいるとしたら、命に関わる問題である。
憲法25条の理念にそった生活保護制度のあるべき姿を示してもらえるような結果をこの裁判で出してほしい」
と訴えました。

saiban_small.png

Aさんは、B病院入院中、移送費という扶助が(制度としては)あることを、病院相談員との会話の中で知りました。
相談員や「生活と健康を守る会」の支援などもあり、市役所とも交渉を続けてきましたが、結局納得の得られる対応、返答がなされない、との経過の中で今回の起訴にいたりました。
実は、奈良市保護課の対応については、移送費だけではなく、他の扶助や保護の受給の相談にも、「できない」「対象にならない」と窓口で申請すらさせてもらえないということがあることが以前から問題となっていました。 

今回の裁判を機に、多くの方が生活保護について関心を持ち、適正で、本当に「命を守る」制度としての姿を取り戻せることになるよう、見守り、支援して頂きたい、と思います。

やくしの里 相談員

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おかたに病院看護部

Author:おかたに病院看護部
奈良市南京終町にある、地域に根ざしたおかたに病院の看護部ブログです。
看護師のこと、職場のこと、看護学生のこと、看護体験のこと、キラリ看護・・・などなど、病院でおこるいろいろなことを書いていきたいと思います♪

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